猫たちのページです。 猫の育てかた、猫との暮らしかたなどの情報のほか、 わが家の猫たちとの出会いや別れの記録。 |
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残業を終えて、友達と携帯電話で話しながら、 私は自宅へ向かっていた。 自宅前で電話を切ろうとしたとき、 門の脇に段ボール箱があるのが目に留まった。 雑草を押しつぶして、箱は湿っているように見えた。 じっとりとした蓋を指先でそっとつまんでみる。 街灯の明かりを頼りに目を凝らしてみると、 濡れて黒光りしているものがいくつか見え、 「ネズミかモグラの死体かも…」と、 私は電話越しの友達に言ったような気がする。 鳴き声が、細くかすかに、 でもそれは小さな猫の声だとはっきりと分かった。 段ボール箱を玄関に上げ、 中でこんがらがっている黒いものを覗きこんだ。 子猫たちはひとかたまりにくっついていて、ぴくりとも動かない。 これは本当に猫の赤ちゃんなのだろうか? やっぱりネズミの死体ではないだろうか、と疑いながら、 恐る恐る、その黒いかたまりから1匹ずつ掌に包んだ。 胎児かとも思えるほど小さな猫が、5匹。 目も開いていない、声も上げない、体長10センチほどの生き物。 今夜から、命の終わりに5回も立ち会うことになるかもしれない。 箱の中には、植木鉢用のプラスチックの受け皿だけが残った。 2002年6月28日、 今から思い返せば、この夜は人生の転機となった。 どんな理由があれ、生き物を捨てることは犯罪です。 捨てた人への怒りは消えていません。 5匹の猫たちと出会ったことで、私は幸せな時間を得ましたが、 生き物を捨てることを肯定しているわけではありませんので、 誤解されないようお願いいたします。 それにしても、飲み水を一緒に入れて、猫を捨てるなんて… その心遣いって、どういうつもりだろう。 |
2002.06.28 チョコボールの箱と比べると 小ささがよくわかる。 2002.06.28 みんなくっついてひとかたまり。 死んだように熟睡中。 |
受け皿からこぼれた水で、箱の中は水浸し。 子猫たちは全身ぐっちょりと濡れていたので、 1匹ずつタオルで拭いてやったものの、 このあと何をすればよいのか、私には見当がつかなかった。 このままでは確実に死んでしまうと思った。 もちろん、生後間もない猫が自力で水を飲むはずがなく、 ミルクを与えてやらねばならなかったが…。 …牛乳を、スポイトで与えればいいのだろうか!? 動物病院に勤めた経験のある友人に助けを求めると、 「とりあえず、卵黄と砂糖を温めた牛乳で溶いたもので代用」ということだった。 牛乳を与えると下痢してしまうらしい。 翌日、仕事帰りにペットショップで仔猫用の粉末ミルクと哺乳瓶を購入した。 猫たちは、一日のほとんどを段ボール箱の中で眠って過ごす。 折り重なってひとかたまりになり、兄弟を押しつぶし押しつぶされて、 窒息しやしないかと心配になるほどだった。 誰かがお腹を空かせて目を覚ますと、か弱い鳴き声をあげる。 (ニャア〜ではなくニィ〜というような声) すると5匹が次々と目を覚まし、ニィ〜の大合唱で空腹を訴える。 我が家には14歳になる先住猫がいたため、 子猫たちは妹の部屋で育てられていた。 数時間ごとにミルクをねだられるたび、妹は昼夜構わずミルクを作った。 哺乳瓶のゴム乳首は、吸引力の弱い子猫のために、 先端に十字に切り込みを入れてある。 まだ目も開いていないのに、なぜか猫たちはちゃんと乳首を探し当てる。 たぶん、温かさと香りに本能がはたらいているのだろう。 ミルクを飲むためだけに生まれてきたとでもいうように、 一度吸いついたら死に物狂い。 満腹するまで口を離さない。 まだ歯も生えていないので、かじりつくことはできず、 必死で吸いついているのだ。 お腹が満たされてくると、だんだん全身の力が抜けてきて、 そのままぱったりと眠りに落ちてしまう。 歯が生え始めると、乳首に噛みついてしまい、 ゴム乳首がすぐに穴だらけになってしまうことになる。 もう少し大きくなると、ミニチュアな前足で 哺乳瓶を抱きかかえて離さなくなる。 |
2002.06.28 びしょびしょに濡れていた猫たち
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ミルクを飲ませた後は、お腹をマッサージし、 ベビーオイルをつけた綿棒で肛門を刺激し、 排泄を促さなければならないのだが、 これが、なかなか出ない。 尿ばかりがたらたらと流れるのみの時期が続いた。 大人の人間なら、多少便秘でも死にはしないが、 まだ体長10cmほどの生き物なら、 なんだか死んでしまいそうだ。 根気よく、うんち出ろ出ろマッサージを続けた甲斐があり、 ある日、にゅるりんと出た。 これで、食欲増進も間違いない。 しかし、妹の部屋に悪臭がこもり始めた。 段ボール箱のには尿を吸収するペットシーツを敷いていたが、 なんと猫が下痢をしていたのである。 まだ目も開いていないし、足も立っていない赤ちゃん。 お互いを鼻先でつつきあってもぞもぞとうごめいて、 ついには体じゅうが排泄物まみれになってしまっていた。 拭いて取れる匂いではないので、 うんちまみれになるたびに、 1匹ずつ洗面台に連れて行き、ぬるい水道水で全身を洗い流した。 食器でも洗うみたいに、ちゃっちゃっと。 猫たちは、乳首と間違えて人間の指などに吸いつく癖がついた。 指を差し出すと、一生懸命にチュウチュウ吸う。 しかし、またしても頭を抱えることになる。 しばらくして気づいたのだが、 兄弟同士でおしっこを飲み合っているのだった。 条件反射なのだろうか? おしっこを吸われる方の猫は、逃げ回っているように見えたが… |
2002.07.11 おしっこを吸われている瞬間 |
拾った夜の杞憂はどこへやら、子猫たちはすくすくと育っていた。 飲んでは寝て、寝ては飲んで、 一日ごとに体が大きくなっていく。 そして、7月に入る頃、次々と目を開きはじめた。 まぶたは開いても、ものが見えるようになるまでは2〜3日かかるらしい。 開いたばかりの子猫の目は、物静かな深いブルーをしている。 猫の一生のうちでも、この期間しか宿らないこの色に名前があるらしいが、それを何と言うのか残念なことに忘れてしまった。 たしか、「何とかブルー」と聞いたような気がする。 人間の目にもこういう現象はないのかなぁ。 |
2002.07.04 |
動物病院で子猫を診察してもらった。 飼うにしても、人に貰ってもらうにしても、 最低限の衛生状態は保っていなければならない。 捨て猫は、どんな病気や虫に感染しているか分からないので、 そのまま育てるのは危険である。 幸い、5匹とも病気にはかかっていないようだったが、 虫下しを投与してもらった。 1匹だけ、つねに目やにがひどく、まぶたが開かない子がいた。 その子は便の状態も下痢気味で、5匹の中では一番汚い猫だったので、 なんとなく私も敬遠していたが、 今となっては一番身近にいる「ぽんた」が、 何を隠そう、そのワーストばっちぃ猫である。 目やにがあっても下痢をしていても、食欲だけは誰よりも強く、 他の猫を蹴落として哺乳瓶に突進して奪い取る猫だった。 その後、5匹にノミが発生していることがわかり、あわてて駆除した。 先住猫にノミがついたときはなかなか根絶できずに、 ノミ取り櫛とシャンプーを何度も繰り返したが、 子猫たちは体も小さく毛も短いので、 櫛もシャンプーも楽なものだった。 診察の結果、 捨てられたのは生後2週間くらいだろうとのことだった。 逆算すると、生まれたのは2002年6月15日前後ということになる。 生後間もない猫を初めて見た私には、 生まれたてほやほやの新生児に思えたのだが、 我が家の玄関前に置き去りにされるまでの2週間は、 いったいどこでどうやって過ごしていたのだろう? 親猫がお乳を与えて育てていたのか? 飼い主が親猫から引き離したのか? 飼い主は「自分で面倒を見よう」とは思わなかったのか? それとも、飼い主のいない野良猫の子なのか? なぜ、捨てられなければならなかったのか? なぜ、我が家の玄関先なのか? |
2002.08.18 目の光り加減が禍々しいかんじで◎。 2002.08.26 ワーストばっちい猫
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14歳の先住猫プラス5匹の子猫… 計6匹の猫をうちで飼うのか? 家族は、両親と私と妹。 人間よりも猫のほうが多い家になってしまう。 (そして、ジュウシマツも8羽飼っていた…) 当初は、数日のうちに5匹とも死んでしまうだろうと思っていたのだが、 すくすくと元気に成長してくると、現実問題は深刻になってくる。 猫にかかる費用は、 餌代、トイレの砂代、避妊手術代、定期的なワクチン注射代、 病気にかかったらその治療代、旅行中のペットホテル代…など、 数万円単位で費用がかかる。 これが6匹分となるとかなりのものである。 お金のことだけではない。 餌を与えたり、水を替えたり、うんちを始末したり、 破かれた障子を張り替えたり、遊んであげたり、ブラッシングしたり… これらを誰がやるのか? そこで、当時仕事でillustratorを覚え始めたので、簡単なポスターを作った。 ポスターは、近所の商店や動物病院に貼らせていただいた。 また、タウンニュース(新聞折込の市内のタブロイド紙)の 「差し上げます」欄に5行ほどの文章を載せたりもした。 しかし希望者は現れず、 最終的には市外の大型スーパーの「差し上げます掲示板」にも手を広げ、 やっと希望者が一人現れた。 |
2002.07.24 ポスター用に撮影するも、中央の猫が下を向いてしまう 2002.07.26 気を取り直してもう一度。一番右の猫がホラーに…
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生後3ヶ月、この頃にはそれぞれの個性も出てきていた。 しかし、いつかはもらわれていく猫と思っていたので、名前はつけずにいた。 「しましまで背中の黒いやつ」とか「顔の白い黒猫」とか 「しましまのメス」など、体の特徴で呼んでいた。 それでも、なんとなくお気に入りの猫というのができ、 その子はもらわれて行きませんように、と密かに思っていた。 スーパーの掲示板を見たという中年の女性が、猫を見にやってきた。 私は仕事に出ていたのでその女性とは会っていないが、 子猫のいる妹の部屋にご案内し、5匹の中から選んでいただいた。 選ばれたのは、いちばん器量のよい、「しましまのメス」だった。 予想どおりの結果だった。 私が手放したくなかった猫は、体が一番小さく、 いつでも踏みつけられていた黒い猫で、 しかも鼻の頭に黒いブチがあり器量はよくないが、とても愛らしい猫だった。 その子が選ばれなかったので、ほっとした。 |
2002.08.03 もらわれていったしましまのメスと、 手放したくなかった黒のメス。 |
12月中旬、ペット可マンションへの入居が決まり、一人暮らしをすることに。 ペット飼育条件として、動物健康保険への加入というものがあった。 ペットにも健康保険があることを、初めて知った。 加入にはペットの健康診断書が必要になるとのことで、 どの猫を連れて行くかを決めなければならなかった。 器量のよくないメスの黒猫にしたかったが、 家族もその猫を気に入っていたので反対され、 全身がしましまの、精悍な顔つきのオス猫に決めた。 このとき、生後6ヶ月にしてやっと命名。 「るんた」と名前が決まった。 2002.12.23 るんたをペットキャリーに入れて、 電車で2駅離れた動物病院まで健康診断に。 初めて電車に乗るるんたは、車内でかぼそい鳴き声を上げるので、 同じ車両の子供たちが、かわるがわるキャリーを覗きにやってきた。 いつもはやんちゃなるんただったが、診察台の上に乗せた途端、 恐怖で身を硬くして縮こまってしまった。 獣医さんが触ろうとすると、 隣で椅子に腰掛けていた私の膝の上に逃げ込んできた。 今までるんたは、私にはなついていなかったので、 膝の上に乗られて私のほうが驚いたくらいだった。 「この子の方から寄ってくるなんて初めてです」と言うと、 獣医さんは当然のように笑った。 「ここでは、猫ちゃんにとって頼れる人間はあなただけですからね」 獣医さんの言葉は、今でもよく思い出す。 ワンルームで猫と一緒に暮らしていると、その言葉がとても重い。 飼い主の留守中に危険な目にあうかもしれないし、 急に体調が悪くなるかもしれない。 それに対応できるのは、一緒に暮らす飼い主だけ。 命を預かる責任を、獣医さんに指摘された気がした。 健康診断の結果は問題なく、 ただ、去勢をした雄猫は太りやすくなるとのことで、 太り始めの兆候があるので気をつけるように、と言われた。 室内で飼うのなら、なおさら食事と運動に気を使わねばならない。 |
2002.08.30 しましまのオス (12月に「るんた」と命名) 耳が大きいのは 顔がちっちゃいから。 |
健康診断の翌日、 るんたが交通事故のため亡くなる。 2002年12月24日、享年6ヶ月。 るんたの死の記録については、こちら。(別ウィンドウが開きます) |
一人暮らしを始めて2ヶ月、 テレビもない、コンポもない、 パソコンはネットにつながっていないという部屋に、 とうとう猫がやってくることになった。 るんたが亡くなり、別の猫の保険加入手続きをしなければならず、 急遽選ばれたのが「ぽんた」だった(名前もこのとき決定)。 ぽんたは、るんたと似たしましま模様の雄で、 拾ったときから一番体が大きく、食欲も誰より旺盛な猫だった。 そのくせ、目やにと下痢が続き、5匹の中では一番汚かった。 その汚さや、ぱっちりしない目つきや、鼻の頭の飛び模様が、 私は嫌いだった。 そのぽんたと一緒に暮らすことにしたのは、 るんたと同じしま模様だったから。それだけだった。 引越し直後、るんたの写真を眺めては 「なぜ、今ここにるんたがいないのだろう」という悲しみに何度も襲われた。 毎日、暗い部屋で待っているのは、幼いるんたの写真だった。 ぽんたを連れてくるにあたり、 「るんたの分まで、2匹分の愛情を注ごう」と決意した。 一番嫌いだったぽんたが、その決意のおかげかどうか、 今は一番かわいい猫のように思える。 ただ、るんたの写真立てを倒したときには、私は怒る。 |
2002.12.24 るんたの代わりという 不名誉な理由で選ばれた 一番汚かった子は 「ぽんた」と命名 |
実家にいる妹から、興味深い写メールが届いた。 数日前から出没していた大きな猫を、とうとう撮影したという。 ぽんたにそっくりだということで、家族は驚いた。 しかも、かなり窓ガラスに近いところで、 なぜか部屋の中をじっと見ているのである。 だが、人間には馴れていないようで、近づくと逃げてしまうらしい。 ごみ置き場でごみをあさっていることもあるらしく、 行動範囲も広いことから、オスではないかと思われる。 5匹の、父猫なのだろうか…? 我が家の室内をじっと覗いていたのは、偶然なのだろうか? |
左:2003.10.07 部屋を覗いている怪しい猫 右:2004.01.14 1歳半のぽんた |
数日前からぽんたの尿が濃いオレンジ色のような気がしていた。 しかし、その朝はさらに濃くなり、ピンク色をしていた。 血尿だ! 〔膀胱炎の症状〕 ・血尿 ・頻尿 ・排尿困難 ・水をたくさん飲む トイレに頻繁に行く割には、ほんの少ししか尿が出ないらしく、 用を足した後に、ニャッと鳴く。 尿道を舐めていることも多かったが、痛みがあったのかもしれない。 また、洗面台になんだか垢がたまるなぁと思っていたら、 実はそこで粗相をしていた血尿の色だった。 トイレではないところでしてしまうのも、頻尿のためだそうだ。 〔なぜ膀胱炎になるのか?〕 猫は元来、砂漠に住む動物だった。 そのため、水をあまり飲まなくても生きていけるようになった。 その分、尿の濃度が凝縮され、ミネラル分も多く含まれている。 しかも、雄猫はマーキングをするため、 尿道の先が細く、不純物が詰まりやすい。 膀胱内で結晶となったミネラル分(マグネシウム)が、 粘りのある結晶(ストラバイト)となって尿道に詰まり、 スムーズな排尿を邪魔する。 おしっこが出なくなると、約48時間で死に至る。 ぽんたは、2種類の投薬と、低マグネシウムの食餌療法で治療を行った。 炎症を抑える錠剤は、3mm角くらいのものだったが、 二度目からは、ぺっと吐き出すようになってしまった。 チーズに包んで食べさせようとしたが、 これも2回目からはうまく錠剤だけ吐き出すようになった。 その上、両目の上から耳までが赤くはれ上がってしまった。 生まれて初めて食べたチーズのせいなのか、薬のせいなのかはわからないが、 チーズアレルギーの可能性もあるという。 次は煮干に薬を仕込むことにしたが、やはり錠剤だけが吐き出されてしまい、飲ませるのに苦労した。 〔猫を膀胱炎にさせないためには〕 ・猫のトイレを清潔に保つ(汚いと尿を我慢してしまうため) ・ドライフードを与える場合は、新鮮な水をたくさん用意しておく。 ・マグネシウム含有量の低いキャットフードを選ぶ。 ・餌の量を与えすぎない。(その分、マグネシウムもたくさん摂取してしまう上、常に満腹状態だと体液がアルカリ性になって結晶化しやすくなる。便の量も増えるため、水分が便に取られてしまい尿が濃くなるという悪循環。) そして、動物病院の治療費もなかなかの出費。 ペット保険のおかげで診察料や処方薬は半額負担で済んだが、 全額自己負担ともなれば、5〜6万円くらいはかかっていたかもしれない。 |
膀胱炎の薬。 この容器を見ただけで逃げ出す有様。 2003.11.27 膀胱炎治療中のぽんた。 餌が変わったので痩せてきた。 |
少しでも広く見せたいので、背の高い家具は置いていない部屋。 高いところが好きな猫にとっては、よい部屋とは言えない。 もっと、ぽんた中心の生活をしてもよいのでは? と、 膀胱炎の一件でも思った。 …というわけで、買ってしまったキャットタワー!(ネズミのおもちゃ付!) 床と天井を突っ張り棒のようなもので固定する仕組みなので、 賃貸住宅でも壁や天井に穴を開ける必要はないし、 何よりぽんたの運動不足が解消されるなら。 しかし、キャットタワーが来てからというもの、ぽんたに見下ろされることが多くなった。 だんだんと、ぽんたの態度が偉そうになっていくような気がするのは、気のせいではないかも。 タワーの軸は、麻紐が巻いてあり、体をこすりつけたり、爪を研ぐのにちょうどよいらしい。 ネズミのおもちゃは一日でボロボロのズタズタにされてしまったが…。 |
2004年2月8日、 子猫の時からいちばん小さかった、愛くるしいメス猫・はなちゃんが、 夜7時ごろに外に出たきり、帰ってこなくなった。 交通事故にあったのかもしれない。 川に流されたのかもしれない。 遠くまで行って迷子になっているのかもしれない。 誰かに連れて行かれたのかもしれない。 はなちゃんは、体が小さくふにゃふにゃしているので、 1歳半を過ぎても、子猫のような印象があり、 家の前を通りかかる学生たちにも人気があるようだった。 また、首輪もつけていなかったので、誘拐も考えられた。 (法律的には、誘拐ではなく窃盗になるのかもしれない) 2月13日、はなちゃんの写真を貼ったポスターを貼り出す。 今まで気づかなかったが、特徴を捉えた全身写真がほとんどない。 焼き増しをしている時間はなかったので、それぞれ違う写真つきのポスターを、 家の前の道、少し離れた大通り、動物病院、近所のスーパーに貼った。 ポスターの効果はすぐに表れた。以下は妹の話による。 ポスターを貼ったその夜、0時を回って2月14日の午前2時ごろ、 にゃーーーーーーーーーーおん!! という強い鳴き声で、飛び起きた。 夢の中で聞こえたのかと思ったが、 叫ぶような鳴き声は、現実に聞こえてきていた。 車のドアを閉める音がした。 急いで雨戸を開けると、はなちゃんが勢いよくかけこんできた。 興奮状態で、同じ場所をぐるぐると回りながら、 うにゃ! うにゃ! と鳴き続ける。 ガリガリに痩せてはいたが、怪我もなく、 体も肉球もきれいなままだった。 はなちゃんは温めたミルクを飲んだ後、餌をおいしそうに食べ、 その後は猫用ベッドの中で一日中眠った。 迷子だったのか、誘拐だったのか、いまだに不明である。 |
2004.02.19 左:帰宅後のはなちゃん。 右:大将も嬉しい表情(?) 2004.04.13 大将(左)と、はなちゃん(右) |
はなちゃんが交通事故のため亡くなる。 2004年6月13日、享年2歳。 はなちゃんの死の記録については、こちら。(別ウィンドウが開きます) |
2004.05.27 |
タマが腎炎のため亡くなる。 2004年8月15日、享年15歳5ヵ月。 タマの死の記録については、こちら。(別ウィンドウが開きます) |
2002.04.08 |
はなちゃんとタマを6月と8月に相次いで亡くした2004年。 実家の飼い猫は大将だけになってしまった。 2004年10月14日、実家にいる妹からメールが届く。 生後1年くらいの迷い猫を、保護したという。 以下は妹の話による。 午前、どこからか猫の鳴き声が聞こえてくる。 なにか普通の状態ではない鳴き方。 庭に出てみると、縞模様の小柄な猫が鳴いている。 猫は、人間の姿を見て怯えたように道路のほうへ逃げてしまう。 折しも、当時家の周囲の道路は公共下水道工事が行われていて、 トラックや作業用車両などで交通量が多く、場所によっては道路が掘り下げられていて危険。 妹はいったん家に戻り、モンプチの缶とプラスチック製スプーンを手にして再び猫を追いかける。 猫は、家から数十メートル離れたあたりの石段にいた。 ひとまず車の往来のない場所である。 そこで、モンプチの缶を差し出すと、猫はトットットットと小走りに寄ってきた。 モンプチをスプーンですくって、猫の口元に差し出す。 猫は、スプーンごと噛みつく。よほど空腹だったのか、その場で一缶食べきる勢い。 このままでは、食べ終わったらまた逃げてしまう。 妹は、モンプチが空になる前に猫を抱きかかえ、自宅へ戻った。 猫は腕の中で脚をグイグイふんばって抵抗を示していたものの、 自宅の玄関でさらに次のモンプチの匂いを嗅がせると、あっさり餌のほうへ寄ってきた。 そして、別の部屋(家を出る前に私が使っていた洋室)へ迷い猫を閉じ込める。 どんな病気やウィルスを持っているか分からないので、大将とは接触させないようにする。 2缶目のモンプチを食べ、さらに3缶目も半分ほど食べ、水もたくさん飲み、 迷い猫は大将が使っていた猫ベッドで休んだ。 翌日、動物病院へ連れて行く。 診察の結果、左前足に噛まれた傷がある。おそらく生後1年未満。出産経験のあるメス猫。 乳首が大きくなっていて、全身から生臭いようなにおいがするので、出産直後かもしれない。 迷い猫は、洋室で隔離したまま過ごさせることに。 初めは人間を見て怯えていたものの、人懐っこい態度なので飼い猫の可能性もある。 飼い主を探さなくては。はなちゃんが帰ってこなくて不安だったり悲しかったりした時期のことが蘇る。 数日後、私も実家へ帰り、迷い猫と対面。 今までに嗅いだことのない生臭さが、洋室に充満している。ただの野良猫の匂いとは明らかに違う。 目つきは鋭く、まだ人間を信用していないといった雰囲気。 でも、小柄な体と、ぽんたと似たような模様で親しみがわく。 その後、「迷い猫預かっています」の張り紙も出したものの、一向に飼い主は現れず。 そうこうしているうちに、迷い猫に発情期が訪れる。まだ保護してから1ヶ月程度のこと。 発情期のメス猫は、臭いのです。避妊手術を受けさせました。 が、避妊手術の補助金申請には、猫の名前を記入する欄がある。 それまで「迷い猫」や「あの子猫」と呼んでいたが、2004年11月26日にやっと命名。もっち。 ぼーんと膨らんだ首から胸にかけてのラインがお餅のように真っ白だから、もっち。我が家の一員となる。 その翌日、ぽんたが実家へとお引越し。大将、ぽんた、もっちの3匹に囲まれての生活が始まる。 はなちゃんが亡くなったのが6月13日、タマが亡くなったのが8月15日。 もっちが我が家にやってきたのが10月で、日付は間を取った14日。 何かの縁を感じる。 |
2004.10.14 保護された当日の迷い猫 2004.10.17 傍若無人な迷い猫。 2004.10.17 |
2006年8月21日、元同僚が保護した野良の子猫を引き取る。 生後約2ヶ月。 メールで写真を送ってもらい、我が家でも家族と相談(交渉?)の結果、メスを1匹だけ引き取ることに。 元同僚によると、一緒に保護したという母猫は、まだ1歳前後の若い猫で、ガリガリに痩せていたそうだ。 我が家に保護された当時のもっちを思い出す。 子猫を引き取るにあたり、気になるのが先住猫との相性。 我が家には、大将・ぽんた・もっちの3匹がいる。 新しくやってくる猫が子猫である場合、受け入れられる確率が高いそうだが…、 このとき、我が家の先住猫の状態としては 大将…気弱だがやさしい。精神的ストレスをためやすい ぽんた…気弱だが体が大きいので攻撃力が強い もっち…2匹のオス猫からは人気。一度ぽんたとけんかして以来、もっぱら大将になついている という状態。 大将は、家の外に見える野良猫の姿にストレスを感じているようなので、家に猫がやってくることでのストレスが心配。 ぽんたは、約2年間私と一緒に暮らしていたので、ほかの猫との協調性が低いのが心配。 もっちは、出産経験があるので母性本能が再生して子猫にはやさしいかもしれない。でも、メス同士というのはどうなのか? 同僚から子猫を受け渡され、電車で帰宅。 電車を待っている間、ペットキャリーの中でうんちをしてしまった模様。 くさいまま電車に乗り込む。 帰宅して確認すると、敷いてあったペットシーツに軟便がべっとり。手足にもついている。 かなりくさい…。緊張していたのかな? 先住猫との対面に一番気を遣った。 新入り猫は、あらかじめ購入してあった猫用ケージに入れる。 さらに、そのケージのある部屋には先住猫は入らないようにする。 まずは、新しい生物がいるという存在だけを先住猫に知らせる。匂いや鳴き声だけで。 当日のうちに、先住猫たちは見知らぬ生物の存在に気づき、部屋の外から中を覗く。 新入り子猫の鳴き声は、まだちゃんとした猫の鳴き声ではないので、猫なのかどうかもわかっていなかったかもしれない。 名前は「ぐり」に決定。 栗の渋皮のような模様と、語感で。一般的にはさび模様と言われる模様。 先住猫との対面は、以下のステップで行った。 1.ぐりの匂いのついたタオルの匂いを嗅がせる(数日後〜) 2.そのタオルを家のあちこちに置く(数日後〜) 3.ぐりをケージに閉じ込めたまま、部屋の入り口から覗こうとする猫にはぐりの姿を見させる(1週間〜2週間後) 4.ぐりをケージに閉じ込めたまま、近寄ってくる先住猫には1匹ずつ対面させる(2週間〜3週間後) 5.飼い主の監視下、一部屋のエリア内で自由に対面させる 6.自由に放す ぐりは、活発に走り回ったり先住猫にちょっかいを出すので、 我が家の先住猫はそれに辟易している様子。 ぐりの協調性のことも考えると、もう少し早い段階で直接対面させていてもよかったかもしれない。 本気で噛んだりするのを叱るのは、人間より先輩猫のほうが上手だと思う。 |
2006.08.26 猫トイレの中で仰向けになるぐり 2006.08.31 さび模様 |
心の中に、大切な猫が住んでいる人に。 | 癒される写真と川柳。 | 谷川俊太郎が訳す、猫の生き方。 | ひとりぼっちになった子猫の未来は? | 動物マンガの傑作! 笑いとリアルと。 |
猫が喋る少女マンガ。 |
猫の毛でフェルト人形を 作りませんか? |
猫の毛で猫雑貨を 作りませんか? |
猫の毛ラブ! |
震災で津波被害を受けた 田代島の猫たち |
田代島の猫たち | |||||
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もっち「猫じゃらしは絶対に渡さないんだから!」 おもちゃの猫じゃらしをくわえて離さないもっち。キバにひっかかってるわけではない。 がっちり噛みついて引っ張られる。凄い形相…。 ※動画が暗いため、見えにくい方はディスプレイの輝度と明度を上げてご覧ください。 |
ぐり「ティッシュ…ティッシュ…まだティッシュ…」 子猫はティッシュが大好き。 ほじっても、ほじっても、ほじっても出てくるティッシュ。 くわえて走って転げてティッシュにまみれたい〜! とでも思っているのか…? |
もっち「おなかがすいたの…」 餌をねだるもっち。 甘えた声でニャーン。 人間の足にスリスリ。 しまいにはどて〜ん。ごろ〜ん。 だるだるです。 |
白黒だけど大将じゃない。誰だこれ。 スターフライヤーのペーパークラフトに興味津々のぐり。 そこにやってきたもっち。 2人して白黒を観察! |
NEOはプラスチックがお好き 猫用の爪切りバサミに興味深々なNEO。プラスチックの硬いのをかじるのがだいすき♪ |
〜ぽんたのいただきもの〜
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